【写真】カトリック前橋教会で合奏するオカリナ四重奏団アンサンブル・オウル(右から栗原代表、斉藤さん、多留見さん、井上さん)

前橋カトリック教会に響き渡る崇高な音色
オカリナ四重奏団アンサンブル・オウル10周年記念コンサート


 伊勢崎市民を中心に結成されたオカリナ四重奏団アンサンブル・オウルが、結成10周年を記念して、「土の調べによる〜祈り」のテーマで自主コンサートを企画した。開催は前橋(12月1日)、伊勢崎(12月15日)の2地区。

 団員は設立の中心となった代表の栗原昭矩さん(伊勢崎市)、斎藤昭さん(同)、井上綾子さん(同)、多留見礼子さん(富岡市)の4人。埼玉芸術劇場で毎年開催の「ジャパン・オカリナ・フェスティバル」へは2010年から出演し、2013年にはトリを飾った。

 色とりどりのステンドグラスを通して差し込む午後の陽光で、荘厳な空気に包まれた聖堂内。12月1日に開かれたカトリック前橋教会(前橋市大手町)の演奏会は、崇高で哀調を帯びたオカリナ4重奏の音色が、聖堂いっぱいに響き渡った。

 団員がより思いを込めて演奏したのは、当初より取り組んできたルネサンス時代の教会音楽。ミサ曲では、ウィリアム・バードの「3声のミサより」を演奏。栗原代表が「教会のアリア」などを独奏した。

 アンサンブル・オウルが演奏で目指したのは純正律による和音つくり。音程を均等な周波数比で均等に分けた平均律によらない、和音ひとつひとつの微妙なハーモニーを表現した。

 ミサ曲やレオナルド・デ・コールの「3つのギターのためのトリオより」は、栗原代表が師事したオカリナ奏者の第一人者、故・火山久さんが編曲。火山さんのオリジナル曲「飛駒の夕べの祈り」なども披露した。

 火山さんがオカリナ奏者で知られる宗次郎さんなどの弟子を率いて、群馬県内で初演したのが40年前の1978年。栗原代表が火山さんを知り、楽器を手にするきっかけになった演奏会は、その10年後だった。

 アンサンブル・オウルの結成は、さらに20年の時を経た10年前。記念コンサート会場に選んだのが、火山さんが2度とも演奏会場とした、カトリック前橋教会だった。(2018年12月4日)


 12月15日開催会場は、東武線境町駅前の「境赤レンガ倉庫」。
 オカリナ四重奏団 アンサンブル・オウル代表 栗原昭矩さん(18年11月27日)

【写真】上:佐野日大管弦楽部定期演奏会を指揮する須田さん。下:東京芸大内ホールで練習するミレニアムシンフォニー

“世界的なマエストロ誕生”を予感させる逸材
東京芸大音楽学部指揮科1年生の須田さん

 “世界的なマエストロ誕生”を予感させる若者が伊勢崎にいる。東京芸術大学音楽学部指揮科1年の須田陽(18歳、伊勢崎市連取町)さんは、現代音楽作曲家の権代敦彦氏作曲の「Sæwol−海から」の日本初演で指揮を執る。大学では1年の音楽学部有志による学年オーケストラ「ミレニアムシンフォニー」を組織。代表として活動を始めている。11月3日にはカワイ前橋ショップで、最後の無料コンサートとなるかもしれないピアノ演奏を披露する。

 
海外でも活躍する現代音楽家・権代氏作品を日本初演で指揮

「Sæwol−海から」は、リトアニアのヴィリニュスで10月14日、Modestas指揮、Vilnius St. Christopher Chamber Orchestraと、打楽器奏者の會田瑞樹さんの共演で世界初演されている。「海」と「魂」が呼応する壮大な音楽で、国内で初演されるのは12月25日、杉並公会堂(東京都杉並区)の「會田瑞樹ヴィブラフォンリサイタル」だ。

 須田さんが特別編成オーケストラで指揮するきっかけは、タワーレコード(東京・渋谷)で開かれた會田さんの昨年のミニコンサート。ソルフェージュ・楽典・和声・作曲などで師事した、作曲家の渡辺俊哉氏の作品が収録されている會田さんの購入CDの感想をSNSにアップしたことが始まり。

 會田さんからは、芸大入学の際にもお祝いメッセージを受けるなど、繋がりを深くする中で、指揮の依頼に至った。會田さんとの共演を夢見ていた須田さんにとっては「夢のような演奏会」と大喜びしている。

 権代氏はローマのブッキ国際作曲コンクール1位(1991年)、故芥川也寸志氏の音楽界への功績を記念した芥川作曲賞(1996年)をはじめとして国内外で数々の賞を受賞。2014年にはリトアニアで、第二次大戦中、領事館で多くのユダヤ人を救った外交官、杉原千畝を題材にしたオペラ「桜の記憶」初演でも注目を集めた。

 
芸大1学年で構成の楽団「ミレニアムシンフォニー」代表も

 須田さんは有志によるオーケストラ設立を大学入学当初から考えており、5月の連休明けから、学年全体に声を掛け始めた。副代表でヴィオラ担当の宮川清一郎さんが、伊勢崎の同郷だったことから最初は2人で行動した。

 集まったのは1学年237人中、約90人。ヴァイオリンは25人、チェロ、ヴィオラ、コントラバスで4〜5人を確保している。音楽環境創造科や楽理科、作曲科など、非演奏学科の生徒も参加。芸大の学生によるオーケストラは前例もあるが、演奏家だけにとどまらない陣容が、これまでに例のない楽団の特徴だ。

 オーケストラの企画運営には、こうした非演奏家の学生があたり、須田さんは全体を統括する。コミュニケーション力で、さまざまな意見を調整。演奏以外の楽団の仕事の経験を演奏に生かしている。周囲からは「団結力がすごい」と羨ましがられていると言う。

 9月7日には早くも芸大ホールを会場に、芸祭公演「新星の坩堝」でチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」を披露している。初の外部公演は2019年2月22日。台東区生涯学習センターで、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」より「序曲」、シベリウス「ヴァイオリン協奏曲」、ブラームス「交響曲第2番」で、指揮棒を振る(全自由席1500円)。

 11月3日のカワイ前橋ショップ(前橋市本町)のピアノコンサートは、スペシャルゲストとして招かれる。午前11時と午後1時半からの2ステージで定員は各25組。ショパンの「エチュード」「ポロネーズ」などを演奏。申込受付は10月31日まで。電話027−221−1821(担当 清水さんまで)。

 須田さんは宮郷第二小学校卒業。指揮者を目指して音楽教育で定評のある上野学園中学・高校音楽科演奏家コース(ピアノ)を経て、東京芸大音楽学部指揮科に入学。伊勢崎から通学している。第9回横浜国際音楽コンクールピアノ部門高校の部一位、第32回全日本ジュニアクラッシク音楽コンクール作曲室内学部門高校生の部最高位など、これまでにピアノと作曲でさまざな賞を受賞している。(2018年10月26日)
【写真】演奏中のIsesaki dandies。左からピアノ小杉雄一さん、コントラバス天田隆さん、ドラムス斉藤忠男さん。手前がヴォ−カルの森田ちひろ(左)とJames.K,。その真後ろで見えないのが、ギターのスーパー清水さん

華麗な演奏とヴォーカルのダイナミックな歌声に酔う
ジャズバンド「Isesaki dandies」デイナーショー

 ジャズバンド「Isesaki dandies」(天田隆代表)は8月29日、日本料理の一心太助連取店(伊勢崎市連取町1797-1)で、酒味の会主催のデイナーショーに出演した。ゲストヴォーカルに招かれたのは、2009年の浅草ジャズコンテスト全日本グランプリを受賞したJames.K,、群馬県の女性ジャズトップシンガーの森田ちひろ。

 「オールオブミー」などのスタンダードジャズ、「イエスタディー」などのポピュラー。さらに「ゴッドファーザー愛のテーマ」「慕情」などの映画音楽など、幅広いレパートリー全20曲余を披露した。

 観客は食事を楽しみながら、華麗なバンド演奏に酔いしれた。重厚で迫力のあるJames.K,とパンチの効いた、時にはしっとりと会場に響き渡る、森田ちひろの歌声に聴き入った。

 固定メンバーの天田さんがコントラバス、小杉雄一さんがピアノ、スーパー清水さんがギターを担当。ドラムスで斉藤忠男さんが参加した。

 天田さんは会社役員、小杉さんは伊勢崎市内の歯科医、清水さんはカフェ&ライブハウスを経営しながらバンド活動。ステージは年10回程度で、県内のジャズクラブやライブハウスを会場に、30年近く活動を続けている。

 酒味の会主催のデイナーショーは今回で3回目。12月25日は一心太助連取町店で、クリスマスディナーショー開催も予定している。(2018年9月18日)

【写真】手拍子も沸き起こった伊勢崎ジュニアオーケストラの演奏

経済団体伊勢崎支部の納涼会で室内演奏
伊勢崎ジュニアオーケストラ

 伊勢崎ジュニアオーケストラ(平田進団長)が8月21日、伊勢崎市喜多町の結婚式場、プラザ・アリアで室内演奏を披露した。群馬中小企業家同友会伊勢崎支部(長島誠支部長)の納涼会企画として出演した。

 親しみのある「ローレライ」や「パッヘルベルのカノン」など全6曲を披露。リズミカルな「ラデッキー行進曲」では、会場から手拍子が沸き起こった。
指揮やクラリネットなど、群馬交響楽団員も3人加わり、演奏を引き締めた。アンコールには「蛍の光」で応えた。

 楽団員は、伊勢崎市内や近郊の小学生や高校生(7歳〜18歳)30人。現在、団員を募集中。毎年4月開催の定期演奏会、12月にはアンサンブルコンサートを開いている。室内演奏はロータリー・ライオンズクラブなどの他、各所からの依頼に応じて出演している。(2018年9月7日)
1  2  3  4