再整備に取り組む水生植物園(中央)と年内にも解体される市民プール(左奥)

華蔵寺公園誘客増へ水生植物園再整備やカフェなど誘致
臂伊勢崎市長に聞く-2023【1】(2023年3月29日)


 コロナ対策に追われる中、マニフェスト実現に取り組み、3年目を迎える臂泰雄伊勢崎市長。保健所設置が可能な「保健所政令市」を目指す方針を固め、高齢者の活躍の場を総合的に支援する条例を制定した。伊勢崎市のランドマークともなっている華蔵寺公園内の再整備は3カ年事業の半ばを迎える。脱炭素社会の実現を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みの思いなども聞いた。

― 魅力を高めて来園者を増やそうと、2022年度から3か年でツツジの再生やカフェなど誘致に取り組む「華蔵寺公園共生『はな咲く。』プロジェクト」。対象となっている水生植物園はどのような再整備を。

 臂市長 現在はハナショウブを植栽しているが、根付いていない部分も増えており、あまり水面が活かされてない。再整備では「広い水面と多彩な水生植物園」をコンセプトに、広がりを持たせた水面の中にハナショウブだけでなく、アサザ、スイレン、ミソハギなどを植栽し、季節ごとに楽しんでもらえる空間を計画している。地域の皆様の植栽エリアを設けて、整備や維持管理に参加、協力していただき、一層の魅力アップを図っていきたい。

― ツツジだけでなく華蔵寺公園全体の樹木の老齢化が進んでいます。

 臂市長 供用開始から66年が経過した華蔵寺公園の樹木は、老齢化で樹勢が衰え、回復見込みがない危険なものを適宜伐採している。日照不足などで樹勢が衰えているツツジの再生は、マツなどの樹木の間引きを行った。ツツジの枝にかかった松葉は生育を阻害するため、それを取り除く作業をボランティア皆さんの協力で2022年度は3回実施している。小・中学校への参加呼びかけもあり、延べ341人の参加をいただいた。

― カフェなどの誘致は当初、市民プール解体跡地に計画していましたが、水生植物園の北側設置案も浮上しています。

 臂市長 カフェなどの誘致事業は民間事業者を公募で選定する、「パークPFI制度」を活用する。その設置場所の選定では、マーケットサウンディング型市場調査※で寄せられた民間事業者からのさまざまな意見を参考にしている。プール跡地・水生植物園北側を含めて、各事業者が魅力を感じる設置場所を提案できるよう調整を進めている。このため、まだどことも決まっていない。
※市が実施する公共施設整備などの検討段階で、民間事業者の意見や新たな提案を把握し、事業進展を図るための市場調査・情報収集。

― 再整備後の華蔵寺公園を知ってもらうためのPR動画制作など、プロジェクトでは情報発信まで徹底していますが、情報発信の多様化という点では、4月開始の地元コミュニティラジオ放送局の「いせさきFM」、群馬テレビのデータ放送など、行政情報発信の媒体が増えます。

 臂市長 主に災害時に情報発信してきた防災行政無線の廃止を補完し、非常時における情報発信の強化を図るために活用していく。情報伝達手段を多様化することで、インターネット環境を持たない市民にも市が発信する情報を届けたい。

― いせさきFMは2008年の開局時に、市庁舎東館1階に設けたスタジオから放送していた時期もありました。再入居や駅前インフォメーションセンターでのサテライト・臨時スタジオの可能性は。

 臂市長 いせさきFMの現スタジオ(JA佐波伊勢崎中央支店内、伊勢崎市南千木町)の継続使用を確認しており、市もその意向に沿って対応していきたい。(次回に続く) 

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